Withailand (ウィザイランド)

AIの世界に足をそっと踏み入れた

鵺をAIを使ってリアルに描く

今回は鵺を題材として、AIを使って実写風に描いてみようと思います。

【鵺】と書いて何と読むかご存知ですか。夜と鳥を組み合わせた漢字で、音読みでは【ヤ】、訓読みでは【ぬえ】と読みます。

その鵺(ぬえ)を今回は描いていきます。

鵺の種類の紹介

鵺と呼ばれている存在は、一つではなくいくつか種類があります。私の知っているものだけでも三種類あります。

1つ目はトラツグミのことです。トラツグミは実在する鳥です。夜に「ひょうひょう」と鳴くと言われております。

私はYOUTUBEで検索して、その鳴き声を聞いてみました。「ひょうひょう」っていう感じでもなくて、私には「ピーッピーッ」に吐息が混じったような鳴き声に聞こえました。よかったら、YOUTUBEで検索して聞いてみてください。

2つ目は、芥見下々さんの大ヒット漫画『呪術廻戦』に出てくる鵺です。今や鵺といえばこれを思い起こす人が多いのではないでしょうか。伏黒恵が召喚する式神です。諫山創さんの『進撃の巨人』に出てくるアギトの巨人(ガリアード)とフクロウを混ぜたような見た目のキャラクターです。

3つ目は、妖怪や怪物と恐れられた鵺です。頭は猿で、胴体は狸で、脚は虎で、尻尾は蛇という格好をしていたようです。鳴き声が鳥の鵺(トラツグミ)のような不気味な鳴き声なので、鵺と呼ばれるようになったそうです。

どの鵺を描くのか

3種類の鵺を簡単にご紹介しましたが、今回どの鵺をPixAI.Artで描くのかと言いますと、3つ目にご紹介した妖怪の鵺です。呪術廻戦の伏黒君が召喚する式神の鵺を描いてほしい人のほうが多そうな気もしますが、私は日本古来からの伝承されている鵺のほうを実写風にして、妖怪を再現してみたいので、3つ目の鵺の画像生成にチャレンジします。

AIは鵺を知っているのか?

それでは画像生成にとりかかります。まずは、PixAI.ArtのAIは鵺を知っているのかが気になります。なので、プロンプトを【鵺】や【nue】だけにして生成してみます。

設定は、

・モデル:Moonbeam

・LoRA:無し

・Sampling Steps:17

・Sampling Method:DPM++ 2M Karras

・CFG Scale:6.0

・縦横比:512✕512

です。

プロンプトを【鵺】でやってみたものがこちら↓

プロンプトを【nue】でやってみたものがこちら↓

【鵺】にしても【nue】にしても、なんとなく化け物のような存在として生成されているようです。でも、頭が猿で、胴が狸で、手足が虎で、尻尾が蛇という形からはかけ離れております。そして、モデル(作風)をMoonbeamにしたので、人型でアニメキャラクター風になってしまいました。

そして、実写風に

AIが、鵺は怪物のような見た目であると認識している事は、うっすら感じ取れました。次は、アニメ風ではなく実写風で、人型ではなく獣型の見た目になるように方向付けていきます。

対策としては、モデルを実写風のものにして、LoRAで獣風な格好にしたいと思います。具体的には、モデルとLoRAだけを以下の設定にして、その他の設定は変更しないで生成してみました。

・モデル:Moonbeam → ChimeraMix V5

・LoRA:無し → [Abnormal body lora]Sphinx(比重:7.0)

以下が生成された画像です。

プロンプト【鵺】でやってみたもの↓

プロンプト【nue】でやってみたもの↓

しっかりと実写風で獣風な格好になりました。依然として鵺とは言えない見た目ですが、鵺版もnue版もしっかり化け物を生成してくれました。どちらも不気味です。この段階で確信を持てた事実としては、日本語も結構プロンプトとして認識してくれるということです。この発見は今後の画像生成に役立ちそうです。

プロンプトを日本語にして攻める

日本語が結構通用することがわかったので、日本語だけでプロンプトを設定してみました。

鵺, (頭:猿), (胴体:狸), (手足:虎), (尻尾:蛇), 実写

すると、こんな画像が生成されました。↓

頭が猿ではなくてかわいい子猫になってしまいました。でも、よく見ると手足は虎で、尻尾は爬虫類っぽくなっております。胴体は狸とは遠く、魚類っぽく見えます。

日本語と英語の合せ技

あともう一歩で鵺っぽくなりそうな予感です。うまく反映されなかった頭と胴体を、英語のプロンプトにしてみます。

鵺, (face:monkey), (torso:raccoon_dog), (手足:虎), (尻尾:蛇), 実写

すると、こんな感じで生成されました。↓

猿と狸が融合したような見た目になりました。虎っぽい手足ではなくなってしまいました。日本語と英語の両方を入れると、英語のほうが優先度が上がってしまうような印象です。

英語だけで生成してみる

日本語と英語を両方入れると英語が勝ってしまうような感じでしたので、英語だけのプロンプトにしてみます。このようなプロンプトにしました。↓

nue, (face:monkey), (torso:raccoon_dog), (hands_and_legs:tiger), (tail:snake), real, reality

その結果、このように生成されました。↓

出ました!これはもう鵺と言っても問題ないのではないでしょうか。ここまで来たらこの画像を【参考作品として使用】にして、さらに理想に近づけていきます。プロンプトは少し増やします。

nue, (face:japanese_monkey), (torso:raccoon_dog), fatty_torso, (hands_and_legs:tiger), tiger_hands, tiger_legs, (tail:snake), snake_paterned_tail, real, reality

Sampling Stepsも17から23に変更して再度生成してみます。

これも結構いい仕上がりです。あと一歩です。胴体が狸のようにもっとぽてっとして、蛇のように長い尾が表現できれば完成と言っていいと思います。そこでこんなプロンプトにしてみました。強調したい部分は倍数を入れてみました。

nue, (face:japanese_monkey), (torso:raccoon_dog), (fatty_torso:1.5), light_brown_colored_torso, (medium_haired_torso:1.4), (hands_and_legs:tiger), tiger_hands, tiger_legs, long_tail, (tail:snake), (snake_paterned_tail:1.3), (real:1.7), (reality:1.7)

これが鵺の姿

ついに完成しました。これが実写風にAIに生成してもらった鵺の姿です。

猿のようでもあるけどトラのようにノシノシ歩きそうです。オカピのようにガチャガチャした柄や、無駄に長い尻尾もアンバランスで不気味です。

私のようなお絵描き素人でも、AIを使えば見たこともない妖怪をリアルに描くことができました。試行錯誤しながら理想の形に近づけていく作業は、結構楽しいですよ。この記事を読んでくださった皆様も、ぜひ鵺や他の妖怪や架空の生物をAIを使って描いてみてください。

更新履歴

  • 2024年1月22日:タグを追加
  • 2024年4月18日:記事の概要を追加,検索エンジン向けタイトルとSNS向けタイトルを変更